国際学部長挨拶


 国際学部附属多文化公共圏センターは、平成20(2008)年4月に開設され、国際学部の教育・研究とグローバル化が進む地域をつなぐ拠点として発展してきました。歴代センター長(田巻、重田、高際、渡邉、倪の各教授)の指揮の下、スタッフや研究員の着実な業務と、センター事業に参加した学生や地域の方々の協力に基づいてきたからです。

 こうした中、平成29(2017)年4月に国際学部は従来の2学科を国際学科1学科に再編統合する改組を行いました。その主な目的は、専門知識としての多文化共生の学びを前面に打ち出し、社会と文化の融合を図る教育と研究が有効であると考えて、「地域のグローバル化」と「地域からのグローバル化」の課題に取り組む人材の育成をめざすことにあります。この改組により、国際学部はセンターとの関係が強まり、地域とのつながりも強化されました。具体的には、新設科目の「グローカル・イシュー研究演習」では、センターの事業としてHANDSと呼ばれる外国人児童生徒への学習支援事業や子ども国際理解サマースクールなどに学生を参加させ、実践的な学びの場を提供しています。同様に新設の「グローバル・イシュー研究演習」では、センターが主催する「グローバル教育セミナー」の開催に向けて、学生ワークショップの発表や学外講師による基調講演の準備などを行っています。

 改組1年目の平成29年度は、センターの開設から10年目を迎える年と重なりました。この関係で、7月に十周年シンポジウム「地域課題への挑戦」を開催し、年度末には『多文化公共圏センター年報』第10号を刊行して、新しい国際学部と十周年シンポジウムの特集を組みました。

 令和元(2019)年度はセンターに新たな動きがありました。一つは、学科長がセンター長を兼務することになりました。倪教授が初のケースです。もう一つは、茨城大学・宇都宮大学・福島大学研究コンソーシアム主催で毎年開かれ5年目となるシンポジウムが6月29日に宇都宮大学で行われ、センターとの共同開催が実現したことです。「多様な学びの場の実現に向けて大学は何ができるか」というテーマの下、第1部で学部長・学類長、センター長による現況と展望の報告があり、第2部で同コンソーシアムによる共同研究の一成果として、今年度新規採択された科研A「外国人生徒の学びの場に関する研究」(代表:田巻松雄教授)についての基調報告、学生の体験談、討論が活発に行われました。新たな共同研究による地域貢献の展開が始まっています。

 以上のように、多文化公共圏センターは常に発展を続けています。私は学部の代表としてセンターの運営を支え、さらなる発展への一助となるよう努力する所存です。学内外の皆様にも引き続きご支援とご協力をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

国際学部長  佐々木 一隆