プロジェクト計画


平成22年度から特別経費プロジェクトとして、「グローバル化社会に対応する人材養成と地域貢献」研究がスタートします。

プロジェクトの概要

(1)地域との連携
 国際学部と教育学部は、地域との連携を重視し、そのための工夫改善を図ってきました。教育学部では、教育委員会・学校と連携して学校現場の問題解決を図ることを目指して、平成17年にスクールサポートセンターを開設し、19年からは教育学部附属教育実践総合センターに統合してその地域連携部門としました。教員の派遣、学生の派遣ともに実績を上げてきました。そのような中、国際学部では外国人児童生徒の教育問題に関する共同研究を立ち上げ、大学の重点推進研究に採択されました。これに平成19年から教育学部の教員も参加するようになり、2学部の連携の端緒が開かれました。
 重点推進研究において、教育委員会および学校現場との連携は積年の課題でありましたが、平成21年度「栃木県外国人児童生徒教育問題懇談会」設置に至りました。また、重点研究メンバーが教育学部主催の教職員サマーセミナーにおいて、今年度初めて「学校における外国人児童生徒教育の現状と課題」の講座を開設しました。関連する教育研究と実践の拠点として、国際学部は平成20年度に多文化公共圏センターを開設しました。 
 このような経緯を経て、栃木県における外国人児童生徒の教育問題を追究してきた国際学部と、地域のニーズに応えるために教育現場の課題解決と質の高い教員養成を追究してきた教育学部とが、強力な連携体制を構築し、栃木県や市町と連携しながら、グローバル化に対応した教育の充実と地域社会の構築を図ることが必要であるとの共通認識に至りました。

(2)必要性・緊急性
 栃木県内の外国人児童生徒教育は、各市町の各学校現場で個別に取組・工夫が行われてきているのが現状であり、学校・地域間を越えた情報交換や教員相互の交流および協働的な取組は非常に限られています。また、様々な関係者がオープンに討議する公共圏はほとんど形成されてきませんでした。各地域で蓄積されてきたものを融合するリソースセンター機能、公共圏形成、教育プログラムの研究・開発に関して本学への期待には大きなものがあります。このような状況の中で、大学の教育研究活動の再編成が必要になっています。
 地域の拠点大学である宇都宮大学の国際学部と教育学部が連携して教育研究資源を有効活用し、地域のグローバル化に応えることが喫緊の課題となっています。また、近年の世界的な不況の進行のなかで、子どもたちの教育の権利が脅かされています。子どもたちの就学保障と教育環境の改善に向けた学校・保護者・地域・企業を含む総合的な共生体制・教育体制の推進のために、大学の教育研究資源を有効に活用することが緊急の課題となっていると言えるでしょう。

(3)目的・目標と取組内容
 具体的な目的・目標と取組内容としては、
@国際学部と教育学部のカリキュラム改革と外国人児童生徒教育に携わる現職教員への研修(再教育)を通じて、
  外国人児童生徒教育問題に対応できる人材を養成します
A小中学校への学生ボランティア派遣、外国人児童生徒の進学ガイダンス、教員向け教材の開発、外国人児童生徒用日本語教材の作成、
  地域住民対象および教育機関における国際理解教育の推進等を通じて、グローバル化の課題に直面している学校や地域の現場に貢献します
  また、外国人児童生徒用日本語教材として、『中学教科単語帳』を作成しています。
  現在までにタイ語・スペイン語・ポルトガル語・フィリピノ語版が刊行されており、H26年度には中国語版の刊行を予定しています。
B先進的公共圏形成に関する理論的・実証的研究と共に、教育委員会・学校関係者等との連携による公共圏形成のための実践的取組を推進して、
  問題解決や政策提言につながる知見を得るための拠点作りに貢献します

(4)事業の実現に向けた実施体制等
 多文化公共圏センターと教育実践総合センターは、国際学部と教育学部の教員が運営に関わってきましたが、現状体制に新規事業推進のための4人のコーディネーターを加え、実施運営に当てます。4名のコーディネーターの主な役割分担は、教員や学生の派遣担当、現職教員研修のための教育委員会・学校との連絡調整、相談業務およびデリバリー業務(進学ガイダンス等)、児童生徒のための教材作りと教員のためのマニュアル作り、とします。学外連携としては、県内各教委と小中学校長とで構成する現在の懇談会をベースにして「外国人児童生徒・グローバル教育推進協議会」を立ち上げ、その下での運営を図ります。



 総体的に言えば、外国人児童生徒教育の分野での幅広い専門職業人の養成や教育機能の充実を図るには、これまで進めてきた学部間連携や学外連携を有機的に統合し、指導人材養成業務、テキスト・マニュアル作成業務、相談窓口業務、進学ガイダンスなどのレスキューデリバリー業務などを強力に推進する必要があります。これまで運営に携わってきた国際学部・教育学部教員に加えて、コーディネーターを配置するなど教育研究環境の整備を図り、新規事業を推進しようとするのが新しいプロジェクトの特色です。