イベント報告

<多文化公共圏センター主催連続シンポジウム>
〜グローバル化する世界の諸問題Vol.1〜

 

・日時:8月11日(月)13時〜  
・場所:大学会館多目的ホール   

・講師:青木秀男(社会理論・動態研究所所長) 
    「途上国都市のストリート・ホームレス/マニラの事例から」 
   
    奥山眞知(常磐大学人間科学部教授) 
     「グローバリゼーションの中の戦争、占領を考える---『反占領』の運動のイスラエルの事例から」 

・コーディネーター:田巻松雄   (宇都宮大学国際学部教授)
・コメンテーター  :松尾昌樹 (宇都宮大学国際学部准教授・地域研究/中東)
           阪本公美子(宇都宮大学国際学部准教授・社会開発論/アフリカ地域研究) 
           関根功人 (宇都宮大学大学院国際学研究科博士前期課程)

⇒チラシ 

  北島国際学部長あいさつ 7月にオープニングセレモニーを開催し、実質的に今回が多文化公共圏セン
ターのスタートとなります。その記念すべき第一回目としまして、世界のグローバル化と諸問題を考えるシンポジウムを開催しました。
田巻センター長あいさつ センター長あいさつ: 「今回基調講演をお願いする2名の先生と研究テーマは異なりますが、あえて大きく括ればホームレス問題もパレスチナ問題も世界のグローバル化がもたらした現象であると言えると思います。また、今回のパネラーの方の専門も講演されるテーマとは直接重なりませんが、それも含めまして様々な角度から話題を提供してくれることを期待しております。ですから、フロアーの皆様にはお二人の講演をできるだけ関連付けながらお聞きしてほしいと思います。そして、第二部のパネルディスカッションで多くの方に発言してほしいと思います」


  青木秀男先生 青木秀男先生: 「グローバリゼーションの中で、途上国が翻弄され、その国
の都市がダイナミックに変わりつつある。それを一つのケースとしてマニラを見る。マニラにおいてのストリートホームレスの実態は、未だ社会問題として捉えられていない。そこで、マニラのストリートホームレスを研究する中で、増加する実態とグローバリゼーションの因果関係がどこまで読み取れるかが、私の関心である」
奥山眞知先生 奥山眞知先生は、ご自身の研究について、 「パレスチナ問題の中で、特にイスラエルに注目している。戦争・テロ・占領というキーワードをクローバリゼーションを通して考えている。また、イスラエルという国のナショナルアイデンティティーがどのように進んでいるかを、イスラエル兵士の兵役拒否に焦点を当てて考えている」とおっしゃっていました。


  阪本公美子先生 阪本公美子先生は、まず、 「青木先生と奥山先生のテーマは、どちらも生活する場が
脅かされるという意味において共通している。しかし、ホームレス問題は「経済的」グローバル化、パレスチナ問題は「政治的」グローバル化に影響されたものと言え、質的には分けて考えねばならないのではないか」と述べられた上で、「また、青木先生の研究においては、松尾先生と逆でグローバル化によって、地方と都市の格差が広がってしまった側面があるのではないか。さらに、実態把握については、そもそもストリートホームレスの人たちは、捕捉されたいのでしょうか」という問題意識を投げかけておられました。
松尾昌樹先生 松雄昌樹先生は、 青木先生へのコメントとしは、「グローバル化が進みマニラ市内にストリートホームレスが存在することは、果たして悪いことなのだろうか」 奥山先生へは、「グローバル化するという意味は「均質化」と「周辺化」が同時に進むこと。イスラエル兵士の兵役拒否という多様化されたアイデンティティーは、イスラエル社会が「均質化」(安定)し多様性を認める余裕ができたからで、「周辺化」(格差)されたパレスチナ人には、とても届かないのではないか」など鋭い質問をされていました。


質疑応答 フロアーからも青木先生へは、フィリピンのホームレス問題のみならず日本のホームレス事情についての質問。奥山先生へは、イスラエルの経済事情から宗教に関わる質問など、期待通り、あらゆる視点からの意見が出されました。
パネルディスカッション


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