イベント報告

<第2回グローバル教育セミナー>
「グローバル教育と地域の生活」
〜フェアトレードから地域を考える〜

 

・日時):2010年7月3日(土)13:30〜17:30

・場所):宇都宮大学峰キャンパス 大学会館多目的ホール

        
        ―プログラム―


13:30 第一部 オープニング

13:45     ワークショップ
        ファシリテーター:カケハシーズ
        「フェアトレードに関するワークショップ」

14:30 第二部 基調講演 
        講演者:高須花子 ピープル・ツリー/フェアトレードカンパニー(株)営業マネージャー
        「フェアトレードがもたらす地域・市民力の活性化
        〜各地のFTタウン化への動きを事例として〜」

15:15 休憩

15:30 第三部 パネルディスカッション
        「グローバル教育と地域の生活〜フェアトレードから地域を考える〜」
         司  会  :重田康博  宇都宮大学国際学部多文化公共圏センター長 
        パ ネ リ ス ト:鯨井智廣  (株)クジライ代表取締役    
                吉田ユリノ シャプラニールとちぎ架け橋の会代表
                生沼晶子  宇都宮大学農学部3年生、リソース・ネットワーク
        コメンテーター:陣内雄次  宇都宮大学教育学部教授
                根本久美子 茨城県メサ・フレンドシップ副代表 

16:50 休憩

17:00 ファッションショー
        リソース・ネットワーク、カケハーズ
    'Fashion is Freedom'



⇒チラシ

今回の「第2回グローバル教育セミナー」は、多文化公共圏センターと「グローバル化社会に対応する
人材養成と地域貢献」プロジェクトとの共催により昨年に続き開催しました。
今回のテーマは「グローバル教育と地域の生活〜フェアトレードから地域を考える〜」とし、フェアト
レードを手掛かりにしてグローバルな問題と自分たちの地域のつながりについて身近なところから考え、
自分たちの生活を見直すきっかけを提供することを目的としています。 

  ワークショップ 第一部は、学生サークルのカケハシーズによるフェアトレードのワー クショップを行いました。参加者の方々でそれぞれグループを作っても らい、さらにグループの中で「生産者」、「中間業者」、「輸入販売企 業」、「消費者」の役に分かれてもらいました。 この貿易ゲームは、エコバッグの売買の契約を行い、発展途上国から日 本へと輸入されるという設定です。参加者には実際に生産者と中間業者、 中間業者と輸入販売企業と交渉を重ね、最後に消費者にエコバッグを売 ることができるか、ということを体感してもらいました。
このワークショップでは、通常の貿易ではまともな賃金をもらえず、最 低限の生活もできていない人たちがいる、ということを知ってもらい、                  自由貿易とフェアトレード貿易の違いを感じてもらうことが目的でした。


高須氏講演 第二部では、基調講演として ピープル・ツリー/フェアトレードカンパニー(株)営業マネージャーの 高須花子氏に講演をして頂きました。
(高須氏は本学の国際学部を卒業生後、民間企業コンサルティング営業を 経て、現在ピープル・ツリーでご活躍をされています。)

(以下、配布資料より抜粋)

 

●フェアトレードの基準
1.生産者に仕事の機会を提供する
2.事業の透明性を保つ
3.フェアトレードを推進する
5.生産者に公正な対価を支払う
6.性別に関わりなく平等な機会を提供する
7.安全で健康的な労働条件を守る
8.子どもの権利を守る
9.環境に配慮する
10.信頼と敬意に基づいた貿易を行う

●フェアトレード・タウンとは
・現在、約20カ国で800を越えている
・日本ではまだ、誕生していない
・日本独自の認証基準を模索
  −FT商品の定義、ラベル認証
  −イギリスのモデル/5つのゴール
Goal1
  自治体議会がフェアトレードを促進するための議決案を可決し、議会、職場、地方庁舎などで
  フェアトレード認証製品(コーヒー・紅茶等)を使用する。
Goal2
  様々なフェアトレード認証製品が地域のショップ(スーパー、コンビニ、雑貨店等)や飲食店で購入できる。
Goal3
  地域の企業や商店、協会や学校といった地域組織へフェアトレード認証製品を浸透させる。
Goal4
  メディアの報道やイベントを通して、フェアトレードに対する地域住民の理解を広めサポートを獲得する。
Goal5
  議員や企業、学校や教会、地域住民などから委員を選出してフェアトレード推進運営委員を設置し、
  フェアトレード推進活動を継続して行う。

                  (フェアトレード・ラベル・ジャパンHPより)

●期待される効果 ・地域力;地域のオリジナル性、ブランド化 ・市民の地域に対する愛着心の向上 ・訴求力(巻き込む力);FT商品力×参加意欲 ・若い世代、市民力の育成 ・継続性 フェアトレードの仕組みから基準について、そしてフェアトレードを拡大していくにはどのような取り組 みが必要かなど、事例も織り交ぜてフェアトレードに関するお話しをして下さいました。 フェアトレードを初めて知った人も、以前から知っていた人もフェアトレードについてさらに理解を深め ることができたのではないかと思います。

パネル

第三部のパネルディスカッションでは、引き続き高須氏にもご参加頂き、 各地で精力的にフェアトレードを広める活動を行っている方々よりお話を 頂きました。 Q1:地域においてなぜフェアトレードを広げる必要があるのか? 高須花子氏:地域においてフェアトレードを広めることは、先程の基調講演 でもお話しさせていただいたとおり、フェアトレードを地域で広げることが 地域コミュニティの活性化につながること、また、フェアトレード自体のマ ーケットを広げることにも大きく貢献することに繋がります。フェアトレー ドを広げるためには、地域にもっと広げて行かなければなりませんし、フェ アトレード自体は毎年生産者への発注を伸ばすことを目標にしているので、今販売チャンネルのあるマー ケットに売っていてはこれ以上市場というのは広がっていきません。どんどんマーケットを増やしていく 必要があります。地域やコミュニティからフェアトレードをもっと取り入れたいという需要を取り込むこ とでマーケットを広げていきたいと考えています。 鯨井智廣氏:昨年つくば市のショッピングセンターで、地産地消を目的としたイベントに呼ばれました。 最初は間違えて呼ばれたのかなと思ったのですが、「鯨井さんのところはフェアトレードの商品を扱って いるから出して欲しい」と言われて、地産地消のイベントにフェアトレードの商品を取り入れるのはアリ なんだということで逆に驚きました。そういう繋がりで共に地域を盛り上げていけるのだという、逆にこ ちらが教えられた事例でした。 吉田ユリノ氏:例えばバングラデシュの途上国支援を安定的に続けるには、日本で海外協力の思想をもっ と普及しなければならない、という思いがあります。こつこつ栃木県で仲間と14,5年やってきましたが なかなか広がらない。関心のない人に振り向いてもらうにはどうしたらいいか、ということを考えたとき 市民の皆さんにとってメリットがあるかないかですよね。その点フェアトレードの商品は分かり易い。自 分の役に立つ、利用してみて心地良い、また買ってみよう、と思ってもらえることがポイントだと気が付 きました。つまり海外協力を広めたいならそこのことを言うよりは、物を通して、これってだれが作った の?この人たちの生活ってどういうことなの?という風に逆にアプローチをした方が良い。結果的に市民 が社会貢献できるということをお示しする方が早いのではないか、ということに気が付きました。いろい ろな商店や組織で扱ってもらい、またそれをMAP化することでまちづくり、地域づくりにつながるのでは ないかと思いました。フェアトレードが地域に根付くことは、途上国支援にもまちづくりにもメリットが あると思います。 生沼晶子さん:私自身で言うと、世の中の流れを見直すきっかけになると思います。私たちの服はメイ ドインチャイナが当たり前で、安いものが一番良くて、100円ショップにはしょっちゅう行く。フェアト レードを知ることで、自分たちが着ているものや自分が食べている物がどこから来て、この値段はどうい う風に決まっているのだろう、今まで関心のなかった部分に目が行くのがフェアトレードを広める意義の 一つなのではないかと思います。しかし、フェアトレードの商品は高いので、買うことが一番いいことな のではなくて、フェアトレードを知ることで自分たちの身の回りの物がどこから来ているのか、この値段 はどうやって決まっているのか、など疑いの目を持つことが大切だと思います。

(*本文は、セミナー第三部でパネリストの方が発言された内容を抜粋、まとめたものです)


ファッションショー 第四部では、学生サークルのリソース・ネットークカケハシーズ ファッションショーを行い、セミナーを盛り上げてくれました。 リソース・ネットワークではインドの女性が一つ一つ手作りしたバナナ ファイバーバッグを、普段着にも合わせられるようコーディネートを提 案。カケハシーズではピープル・ツリーやシャプラニールで取り扱って いる商品をフェアトレード・ファッションとして提案してくれました。
フェアトレード商品展示風景 ワークショップとファッションショーを担当してくれたカケハシーズ  ファッションショーを担当してくれた リソース・ネットワークは、フェア トレードを通じた国際協力活動をしている学生サークルです。 セミナー当日は、カケハシーズはネパールやバングラデシュからのフェア トレード商品を、リソース・ネットワークはファッションショーでも使用 したバナナファバーを使った商品を展示してくれました。 商品はブックカバーやコースターなどの小物や複雑に織られたスカーフ、 バックなど、とても綺麗で凝った商品ばかりが陳列されていました。参加 者も積極的に商品を見て下さり、フェアトレード商品への関心の高さを伺 い知ることができました。

セミナー終了後、懇談会を開催しました。 本日講演してくださいました高須花子氏、パネリストの鯨井氏、吉田氏、生沼さん、コメンテーター の根本さん、陣内先生、協力してくれたカケハシーズ、リソース・ネットワークの学生と一般参加の 方を交え、親交を深めました。

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