CMPSとは
センター長挨拶

宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センターは、2008年4月に発足しました。当初より当センターでは、気候危機をはじめとする国境を越える課題や、世界各地からやってきた様々な文化や宗教、慣習をもつ外国人の方々との共生に対応することを目指してきました。問題への対応には、国家や自治体、企業などによる事業の推進もさることながら、多様な立場の当事者や支援者の方々の「横社会への連携」が大切だと、私たちは考えています。異なる出自、世代、ジェンダーを含め、多様な人々や文化の交流は、他者への尊厳と寛容性を育んでくれるものです。そこで、年齢やジェンダー、宗教や言語、職業、国籍などを問わず、多様な人々が、自由闊達に議論し合意形成を行うことができる場所、それを私たちは「多文化公共圏」と名付けました。それは世界中どこにでも存在する空間です。本センターは、「多文化公共圏」の創造を応援しています。
この17年の道のりにおいて、本センターは、いくつもの「多文化公共圏」の創造に関わってきました。グローカル化する地域の中の外国人児童生徒応援のためのHANDSプロジェクト、2011年の原発震災の社会的影響を可視化させる福島原発震災に関する記録フォーラムは、その主柱でした。現在では、UU-TEAプロジェクト、国際平和と人権人道法研究会、UU3Sプロジェクト、グローバルサウスとの共創プロジェクト、多様な学び研究会、宇都宮おもてなし隊など、様々な「多文化公共圏」が創造され発展をみています。さらに各プロジェクトの成果をより広く社会に発信するため、シンポジウムやセミナー、報告会等を一般公開する「多文化公共圏フォーラム」を2022年度より開始しました。また、成果の一端を研究報告として公表する「ワーキング・ペーパー・シリーズ」の刊行、ホームページの英語版の整備によって、グローバルな発信力の強化を図っています。
世界ではロシアのウクライナ侵攻が続き、イスラエル軍攻撃によるパレスチナの惨状も続いています。トランプ政権の登場でこれまでの国際秩序やそれを支える理念は大きな危機に瀕しています。いつ何がきっかけで平穏な暮らしが奪われるかわからない、この不確かな時代においてこそ、多様な学問分野の知見を結集させ、問題を可視化させ、苦境にいる方々へ共感共苦(コンパッション)をよせ、市民が連帯することが求められています。その足がかりとしての多文化公共圏は、ますます重要性が高まっています。当センターでは、地域のみなさまとともに活動し多様な異文化交流を促進します。地球規模と地域の諸課題の解決を図り持続可能な平和な社会を希求するための場として,多文化公共圏を創造し、またその応援をしてまいります。今後とも,当センターの運営にみなさまのご支援・ご協力を賜りますよう,ご意見ご要望をお寄せくださいますようお願い申し上げます。
宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター長
髙橋 若菜
センタースタッフ
- 運営委員会メンバー
- センター研究員
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運営委員会メンバー(2025年度)
- センター長 髙橋 若菜
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所属・職名国際学部 教授
- 副センター長 松村 史紀
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所属・職名国際学部 准教授
- センター員 スエヨシ・アナ
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所属・職名国際学部 准教授
- センター員 立花 有希
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所属・職名国際学部 准教授
- センター員 申 惠媛
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所属・職名国際学部 助教
- センター員 リーペレス ファビオ
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所属・職名国際学部 助教
- センター員 李 亜姣
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所属・職名国際学部 助教
- センター員 梁 鎮輝
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所属・職名国際学部 助教
- センター員 モリス ジェームズ ハリー
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所属・職名国際学部 助教
- センター職員 田宮 純子
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所属・職名コーディネーター
- センター職員 有馬 祐佳
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所属・職名事務補佐員
センターについて
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多文化公共圏センターのミッション
多文化公共圏センターは、よりよい世界を目指し、多様な主体間の議論を学際的につなげ、包摂的な視点から自由な意見が交わされる拠点となることで、宇都宮大学発の公共圏の創成に貢献し、その成果を広く社会に発信する場です。
国際化が進んだ現在の世界で我々が直面している多様な課題に対処するためには、国家の枠をこえた市民一人ひとりのつながりが欠かせません。多文化公共圏センターは、大学と社会との連携を強め、人間に関わる内外両面における複数のシステムを様々な専門分野から多角的に分析し、学際知を基礎に、国際的な視野から取り組みを促進するプラットフォームの役割を担っています。
多文化公共圏センターは、グローバル・グローカルな視点から、様々な課題とその背景に関わる学際知をつなぎ、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」世界を、大学と社会が一体となって創造することを目指しています。
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「多文化公共圏」とは
ドイツ人社会学者ハーバマスの理論の一部を形成する「多様な意見を集約して合意を形成する場としての公共圏」という概念です。グローバルな課題の解決のために、国家の枠を越えて多様な活動と文化を持つ市民・市民組織を含めた市民社会が活動する公共圏を「多文化公共圏」といいます。「多文化公共圏」は議論・合意形成の場であり、それは世界中どこにでも存在する空間です。「センター」は「多文化公共圏」の創造を応援します。
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「多文化公共圏センター」で行う事業
- (1)「内なる国際化・地域連携」、「国際協力・グローバル課題」、「異文化理解」の3分野を重点として、複数のプロジェクトを同時に運営しています。
- (2)年間を通じ、「多文化公共圏フォーラム」を多様なテーマで開催し、自由な意見交換や議論の場(=多文化公共圏)を創造します。
- (3)自治体・国際交流団体・市民団体(NGO/NPO)と外国人コミュニティとの交流や国際協力・多文化交流・貢献活動などの分野での相談・協力・共同研究に対応します。
- (4)学生・市民団体等(NGO/NPO)の地球規模の課題解決や国際協力・国際交流等の事業への参加を支援します。
- (5)国際協力・貢献、多文化交流に関する理論的実証的研究と教育による人材育成を行います。
- (6)ホームページや機関紙を通して大学・学生・自治体・国際交流団体・市民団体(NGO/NPO)とのネットワークを構築します。
具体的な活動は、ホームページの事業/Projectやイベント/Event、カレンダー等をご覧ください。
お問い合わせ先
名称 | 宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター |
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建物 | 国際学部5号館B棟3階 |
住所 | 〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350 |
TEL | 028-649-5196・5228 |
FAX | 028-649-5228 |
tabunka-c@a.utsunomiya-u.ac.jp ※@は半角に変更してください。 | |
開室時間 | 平日(大学の休業日、祝祭日は除く)の9:00〜16:00まで |
国際学部5号館B棟の3階にセンターがあります。
ラーニングコモンズからB棟の階段を3階まで昇ってきたすぐ右手です。

センターの入口に置いてあるチラシやパンフレットは、ご自由にお持ち下さい。
入ってすぐの本棚にも、閲覧できる冊子や持ち出し可能な冊子があります。
お気軽にお入りください。

センターの隣にある会議室は、事前予約してご利用ください(利用可能時間は9時~16時)。予約はセンターに直接おいでになるか、電話やE-mailでも受け付けています。
また、奥の棚にはセンターが所蔵している本が並んでいます。
貸し出しをしていますので、持ち出す際はセンター職員にお声掛け下さい。
貸し出し記録シートの入力をお願いします。

多文化公共圏センターで提供している学術指導・共同研究について
多文化公共圏センターでは、国際的な課題や多文化共生に関わるテーマに関し、センター運営委員をはじめとする宇都宮大学国際学部の教職員が、自分たちの専門とする分野において、地域と連携した教育・研究への取り組みを強化することを支援しています。そのような連携の手段には、本学の教職員が専門知識に基づき技術相談・各種コンサル業務を行う学術指導や、民間企業等の研究者と本学の教員が、共通の課題について対等の場で研究を行う共同研究があります。
当センターに関連する事業との連携に関心のある方は、宇都宮大学地域創生推進機構の社会共創促進センターを通じて、連携事業に関するご相談・お問い合わせが可能です。詳細は、社会共創促進センターのホームページをご覧ください。